Contents
仮想通貨におけるレバレッジとは
レバレッジとは、端的に説明すると「少ない資金で大きな金額の取引をする」ことです。
通常、私達が仮想通貨を購入する際、日本円を支払って仮想通貨を入手し、それを使って買い物したり、他の仮想通貨を購入したりすることができます。これを「現物取引」といいます。
それに対して、「レバレッジ取引」というものがあり、これは手持ちの少ない資金を「証拠金(担保)」としてそこに定められたレバレッジ倍率をかけた金額を取引の中で使うことができるという仕組みになります。つまり、「証拠金」を元手に大きな金額を取引できるようになるということです。
それゆえに、レバレッジ取引は「証拠金取引」とも呼ばれることがあります。
実は、日本の仮想通貨業界で、このレバレッジ取引が盛んになってきているのです。
レバレッジ倍率はどのくらい?
レバレッジ取引において、ユーザーが用意する証拠金にはレバレッジ倍率をかけて取引に使えるお金が決まっていきます。
レバレッジ倍率は、各取引所ごとに定められている倍率が異なり、1倍~最大25倍までの間で設定されています。最大で25倍というのは、日本の法律上、レバレッジ倍率の最大倍率が25倍と定められているからです。
とはいっても全ての取引所で25倍を選択できるわけではなく、選べる倍率も違ってきます。取引所によっては、5倍までだったり10倍までだったり、25倍しか選べなかったりという感じに異なります。
これらの倍率を選ぶことで、証拠金が少額だとしても大きな金額での取引が可能になるのです。
例えば、証拠金が10万円だとしてレバレッジ倍率を10倍で選択すると、取引で使えるお金は100万円ということになります。同様に25倍にすると250万円を使うことができるのです。
レバレッジ取引のメリット
資金が少なくても大丈夫
まずは、少ない資本金でも大きな金額の取引ができるという点です。
通常の「現物取引」ではビットコインを10000円分購入すると0.009BTC程度しか入手できません。資金が少額だと通貨の価格が上昇したとしても大きな利益は見込めません。
しかし、レバレッジ取引では資金が10000円だとしても、25倍の倍率をかけると25万円の資金となって取引に使うことができるのです。この25万円でビットコインを0.23BTCとなって大きな金額分を購入でき、値上がりすると大きな利益となる可能性があるということなのです。
とはいっても初めから少なすぎても利益も少なくなってしまうので、証拠金は多ければ多いほどリターンは大きくなります。
リターンが大きい
レバレッジ取引では、現物取引よりも利益(リターン)が大きいことがメリットと言えます。多くの利用者がここが狙いでレバレッジ取引を行っているでしょう。
レバレッジ取引というのは、倍率で得た資金で購入する通貨量を増やし、価格上昇で増える利益も増やすことが目的です。
現物取引のリターン例
例えば、1BTC=100万円のレートだと考えてみましょう。
資金10万円で現物のビットコインを購入すると、0.1BTCを保有できます。
この状態で1BTCが高騰して200万円になった場合、手持ちの0.1BTCは20万円分で売れることになり、差額の10万円が利益(リターン)ということになります。
レートの価格が2倍になるので、手持ちの通貨の価格も2倍になっただけですね。
レバレッジ取引でのリターン例
ではレバレッジ取引の場合、10万円を証拠金として、10倍のレバレッジをかけて100万円分の資金で1BTCを購入したとします。
そして、価格上昇を待って1BTC=200万に高騰したとすると、手持ちに1BTCあるのでこれを売ると200万円になります。この場合、レバレッジをかけた100万円が200万円になったため、差額である100万円が利益となります。
つまり、証拠金10万円で10倍の100万円という大金を得ることができるということになるのです。
また、証拠金が多い、もしくはレバレッジ倍率を高く設定することでもっと大きなリターンを狙うこともできます。
買いだけでなく売りでも利益が出る
レバレッジ取引では、仮想通貨の買い(購入)で得る利益だけでなく、売り(売却)でも利益が出ます。
通常の現物取引では、通貨の購入後に価格が上昇することで上昇した分の利益が出るという形です。これは、レバレッジ取引での買いでの差額で利益を得るという流れと同じです。
しかしながら、レバレッジ取引では売り(売却)で利益を出すことができます。
売り(売却)取引でのリターン例
ここでもレートは1BTC=100万円で考えます。
売り取引の場合、まずは取引所から通貨(現物)を借ります。例えば、1BTCを借りることにしましょう。
借りた1BTCは100万円で売り、手元に現金100万円が手に入ります。そして、通貨の価格下落を待ちます。
価格が50万円まで下がってきたら、1BTCを買い戻します。そうすると、手持ちは1BTCと50万円ということになります。そして、最初に借りた1BTCを取引所に返すことで取引は完了になります。
差額で生まれた手持ちの50万円が利益となるということです。
仮想通貨は価格の変動が激しく、上昇と下落を日々繰り返しています。また、煽り売りなど下落に影響されて売りが続くこともあり、大きな下落も発生しやすいです。その際に売り(売却)で大きな利益を出すこともできるのです。
ロスカットでリスクを低減
レバレッジ取引は、ハイリターンな反面で非常にハイリスクも伴うこともありますが、取引に失敗して負債を負うということがないようにロスカットルールが定められています。
取引所ごとで設定されている内容が異なるが、証拠金維持率を50%~80%を下回った場合に強制的に取引を終了させられるというシステムになります。つまり、買い(購入)の取引をしている時に大きな下落が発生しても損失が大きくならないように設定されています。
その代わり、強制的に取引終了となるので、損切りという形で少なからずの損失が発生してしまいます。
スポンサーリンク
レバレッジ取引のデメリット
大きなリスクを伴う
レバレッジ取引のデメリットの一つは、ハイリターンでありながらハイリスクを伴う取引を行うという点です。
取引所でのレバレッジ倍率は最大25倍なので、大きな金額での取引ができるのですが、それ相応のリスクも伴ってくるということです。
少しの価格変動で利益にも損失にも転じていっていまいます。特に仮想通貨の変動は激しく上がったり下がったりを頻繁に繰り返しているので、ロスカットルールがあるといえども取引している価格によっては損失も大きくなっていくので慎重に進めていくのがいいでしょう。
ハイレバレッジ症候群が危険
デメリットとして、ハイレバレッジ症候群になってしまうということも考えられます。
レバレッジ取引で大きな利益を得ることに成功すると、その後に損失が少し出ても関係なく、次こそは大きな利益が出るだろうと取引にのめり込んでいってしまうのです。そして、気づいたら損失を繰り返して累計すると大きな損失になっているということもありうるのです。
初心者には向かない
投資の取引に慣れていない初心者には向いていないでしょう。
レバレッジ取引は、現物取引のように購入してから価格上昇を長期的に待つ(ガチホ)スタイルではなく、上がったら売る、下がったら買うを短期間で何度も繰り返していくことで細かい利益を積み重ねていくことを行っていきます。そのため、売り時や買い時といったタイミングを常に判断できることが必要になっていきます。
投資に慣れていて利益を出すタイミングを見逃さない人に向いていると思われます。
レバレッジ取引の種類
レバレッジ倍率をかけて行うことができる取引方法が主に2つあり、FX・信用取引になります。それぞれの違いを見ていきましょう。
FX
「FX」と聞くと、株や証券の取引を思い出すかもしれませんが、仮想通貨においてもFX取引があります。
FX取引は仮想通貨におけるレバレッジ取引の代表格で、手持ちの少ない資金をレバレッジで倍増させて大きな取引を行い、差額での利益を得るという方法です。レバレッジで倍増させているので、取引に使っている資金が全て自分のものとして扱うのはやめておきましょう。
信用取引
信用取引は、手持ちの資金を使うのではなく、先に取引所などから資金や現物(通貨)を借ります。借りるという形になるので、取引後に返済する必要があり、伴う期限もあるでしょう。こういった点がFXと違う部分になります。
借りた資金や現物の売り買いによって取引を行い、利益を出すという流れになっています。
仮想通貨FXでのレバレッジを比較
各仮想通貨取引所でFX取引ができるようになっていますが、各々でレバレッジの倍率設定はバラバラとなっています。
これからFX取引が盛んになっていくので、始めようと考えている人の参考になればと思います。
取引所ごとのレバレッジ倍率の違い
取引所 | 対応通貨 | レバレッジ | 取引手数料 |
ビットフライヤー | BTC | 最大15倍 | 無料 |
ビットポイント | BTC | 最大25倍 | 無料 |
ビットバンク | BTC | 最大20倍 | 0.01% |
Zaif(ザイフ) | BTC・MONA | 最大7.77倍 | 0.7% |
DMMビットコイン |
BTC・ETH・XEM XRP・LTC・ETC・BCH |
最大5倍 | 無料 |
GMOコイン | BTC | 一律5倍 | 無料 |
みんなのビットコイン | BTC・ETH | 最大25倍 | 無料 |
QUOINEX | BTC・ETH | 最大25倍 | 無料 |
上の表は、現時点(2018年2月)での各取引所でのレバレッジの比較を表したものになります。
見比べると15倍以上のレバレッジを設定できる取引所の割合が多く、より大きな利益をあげたいというユーザーのニーズに応えるかのような設定になっています。FX取引ができる対象通貨も大方BTC(ビットコイン)がほとんどですが、新規参入のDMMビットコインではリップルやネムといった単価の安い通貨でのFX取引ができるのが特徴です。
これから仮想通貨でのFX取引が広まっていくことで、BTC以外の通貨での取引ができる取引所が増えていくでしょう。
各取引所でのFX取引のサービス詳細
ビットフライヤー
ビットコイン取引量日本一でFX取引量も豊富!
専用ページ「Lightning FX」で直感的でスピーディーな取引が可能!
レバレッジは1倍~最大15倍の幅広い設定ができる!
ビットフライヤーは国内大手の取引所でビットコインの取引量も日本一を誇るほどの巨大取引所です。
ビットフライヤーが提供しているFX取引は「Lightning FX」で、FX取引の専用プラットフォームが作られています。特徴は、取引が高速にできることです。値動きに敏感に反応して売買をしていくFX取引ではサイト環境やネットワーク環境も重要になってくるので、サクサク操作できることが重要です。「Lightning FX」のページは操作も直感的で見やすく、自分でも自分仕様にアレンジできるのも特徴の一つです。
ビットフライヤーではレバレッジが1倍・2倍・3倍・5倍・10倍・15倍と段階的な設定ができ、選択肢が広いです。また、FX取引の手数料はキャンペーンということもあって無料となっていて始めるには最適なタイミングと言えます。
ビットポイント
ビットコインFXを円・米ドルを含む7種類のペア通貨で取引できる!
2倍~最大25倍の高いレバレッジを設定可能
高機能取引ツールMT4(メタトレーダー4)を使ってサクサク取引!
ビットポイントは、「取引所」形式での売買を行っている取引所で、最近もリップル(XRP)が上場する等で賑わってきています。
FX取引サービスでは対象通貨はBTCのみですが、ペア通貨が円・米ドル・ユーロ・ポンド・人民元・香港ドル・NZドルを使うことができるので日本だけではなく、世界で展開されています。世界規模の取引量を取り入れることができるのも強みと言えます。
レバレッジは2倍・5倍・10倍・25倍と設定することができ、最大25倍かけることで大きな取引ができるようになります。また、FX専用の取引ツールとしてMT4(メタトレーダー4)を使用でき、PCのみならずスマホやタブレットでも効率よく取引できます。
ビットバンク(Bitbank Trade)
日本で唯一証拠金がBTCのみで取引できる!
レバレッジは最大20倍の高設定!
最低10000円程度から始めることができる手軽さも特徴
国内大手取引所の一つであるビットバンクが提供しているFX取引サービスが「Bitbank Trade」です。
ビットバンクとは別の取引所として運営されており、即口座開設ですぐに取引ができるようになっています。取引できる通貨はBTC/USDのみに絞られており、取引を始めるにはまず証拠金のビットコインを入れてから始めていくという流れとなっています。
レバレッジの倍率は最大20倍で大きな取引もでき、始める時に必要な証拠金も最低10000円程度のBTCから取引可能で簡単に始めることができるのも特徴です。
Zaif(ザイフ)
より現物取引の価格に近い「ビットコインAirFX」を展開!
レバレッジは最大25倍と高く、現物取引価格に近いことでお得になるメリットもある
証拠金には日本円がない場合、BTC・XEM・MONAの仮想通貨を使える!
Zaif(ザイフ)では「ビットコインAirFX」という取引が行われています。
通常のFX取引では現物取引との価格差が出てしまうところが、AirFXでは乖離解消機構というシステムを導入してより現物取引に近い価格でのFX取引ができるようになっているのです。つまり、他の取引所よりもお得な価格で取引できる可能性があるということです。
設定されているレバレッジは最大25倍で、高く設定されている他の取引所と同じですが、取引の価格差が違うことでメリットはあると考えられます。
取引はBTC/JPYが対象通貨ペアですが、初めに入れる証拠金は日本円が少ない場合にBTC、XEM、MONAを代用することもできます。
DMMビットコイン
全14通貨ペアでの取引が可能で、XRP・XEMなどの通貨も対象。
レバレッジは5倍と低めで、安全安心に取引を行うことができる。
DMMビットコインは2018年にサービスをスタートしたばかりの新しい取引所です。
BTCやETHなどの7種類の通貨を取り扱っているものの、現物取引がされているのは一部の通貨のみで、取り扱う全ての仮想通貨の全14通貨ペアにてレバレッジ取引に対応した取引を行っています。レバレッジは5倍に設定され、リスクを抑えて安全に利益を得るというスタンスでの取引に最適です。
他の取引所ではBTCのみが取引の対象通貨であるのに対し、DMMビットコインではリップル(XRP)・ネム(XEM)・イーサクラシック(ETC)などの豊富な種類の通貨でレバレッジ取引できます。
GMOコイン
GMOコインはレバレッジ取引・FX初心者に最適!
レバレッジは一律5倍で低リスクな取引が可能。
専用アプリ「ビットレ君」で出先でも簡単に取引操作ができる。
FX取引やレバレッジ取引の初心者が始めるのに最適なのがGMOコインだと思います。
レバレッジが一律5倍に定められているので、低リスクで安全に取引を進めていくことができます。FXやレバレッジという仕組みや取引の方法に慣れるのに適しているとも考えられます。対象通貨はBTC/JPYのみなので、非常に始めやすいでしょう。
また、GMOコインが作成した専用のスマホアプリ「ビットレ君」はFX取引に特化しており、こまめに取引を行うという方も使いやすい仕様になっています。
みんなのビットコイン
レバレッジは2倍~25倍の中から選択可能で、リスクの高さを考慮できる。
ロスカットルールによって低リスク・安全に取引可能!
毎秒100万件の取引が可能な高速処理ツール「BTトレーダー」
みんなのビットコインは2017年にサービスを開始した取引所です。
対象通貨はBTCとETH(イーサリアム)で、円・米ドル・ユーロの他にインドネシアのルピアやフィリピンのペソなどの法定通貨でも取引ができます。レバレッジの倍率は2倍・4倍・5倍・10倍・25倍の設定から選べます。
また、レバレッジが高く設定できる分、大きなリスクを伴うのに対し、独自のロスカットルールで証拠金維持率が110%以下になると発動されてリスクを回避できる仕組みになっているので安心です。
みんなのビットコインでは「BTトレーダー」という取引ツールを使うことで、非常にスムーズな取引ができるのもメリットです。
QUOINEX(コインエクスチェンジ)
毎秒100万件の高速処理が可能なトレーディングプラットフォームを搭載!
レバレッジ倍率は2倍~最大25倍で選択でき、10種類の通貨ペアで取引できる。
QUOINEXは、実は上記の「みんなのビットコイン」と同じ運営会社が運営している取引所です。そのため、みんなのビットコインと同じように毎秒100万件の処理を実現できるトレーディングプラットフォームを利用できます。
レバレッジ取引ができる対象通貨はBTCとETHで、BTCに至っては10種類の通貨ペアでの取引が可能で、世界での豊富な取引量を取り入れることができます。レバレッジは2倍・4倍・5倍・10倍・25倍から選択できます。
同じ運営会社ということもあり、「みんなのビットコイン」と似た特徴を持っています。