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コインチェックが買収されるという噂が出ている
今も動きがないコインチェック
コインチェックが580億円分のネム(XEM)を流出してから2週間が経過しようという現在、コインチェックの進展は特別ありません。
コインチェックのWEBサイトを見てみると、「日本円出金の再開見通しについて」といったページが表示され、全通貨出金停止措置が行われている状況の中、出金再開に向けた準備が進んでいるという内容でした。しかし、実際の出金再開予定の日時などは公表されておらず、未だに不透明な状況が続いているといってもいいでしょう。
先日、金融庁が立ち入り調査を開始しましたが、その結果報告や進展なども出ていないので、目立った動きもありません。
そんな中、コインチェックに関する様々な噂や憶測が飛び交っています。
コインチェックの今後について気になっている人が多いようで、「コインチェック 倒産」「コインチェック 破産」といった内容の噂が出てきています。そして中でも私が気になったのは、コインチェックは倒産せずに買収される可能性があるかもしれないということについてです。
実際のところの可能性について調べてみました。
コインチェックが破産・倒産する可能性は高い?
コインチェックの信用ガタ落ち
今回の不正流出事件をきっかけに、コインチェックは580億円分のネム(XEM)以外にユーザーの信用というものも失ってしまいました。これがかなり大きな痛手となっているでしょう。
仮想通貨は株や証券といったものと似通っていて投資家がお金で買っているもので、れっきとした金融事業であるのは確かです。当然、人のお金を預かるということをするのであれば、信用というものが非常に重視される業界です。
今回の事件は、ユーザーが所有権を持っていてコインチェックに預けているネム(XEM)をコインチェック側がセキュリティーの甘い「ホットウォレット」に保管していたために抜き取られてしまったというものです。「コールドウォレット」というセキュリティーが高い金庫で保管することをしていなかったのです。
これは、コインチェックに非があると考えられます。ユーザーはコインチェックの管理システムを信用して利用し預けていた訳で、安全だという信用があって利用していたのです。コインチェックはそれを裏切ることをしていたということです。
信用がガタ落ちするのは明らかですね。
コインチェックで取り付け騒ぎが起きる
もうコインチェックにお金なんて預けられない!
信用がなくなったコインチェックのユーザーの多くがこう考えているでしょう。
ネム(XEM)だけでなく、他の仮想通貨や日本円の保管もきちんとされているかわからない、自分たちの預けているお金が返ってこないのではないかといった不安や焦燥にかられていると思います。
そのため、恐らくコインチェックで取り付け騒ぎが起きるでしょう。信用できない金融機関から利用者が預金や掛け金を取り戻そうとする動きで、世界恐慌始めに多くの金融危機の際に起きています。ユーザーらが預けてある日本円を出金したり、購入している仮想通貨を別の取引所に送金したりといったことが相次ぐかと思われます。
そうなると、コインチェックが保管している日本円や仮想通貨の残高がみるみる減っていくでしょう。
コインチェックはこういった混乱が起きないように、「全通貨出金停止措置」として日本円や仮想通貨の出金・送金を止めています。
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出金停止解除とともに破綻する?
現在、コインチェックは全通貨出金停止措置を行っていて、一切の資金も出せないようにしています。
なぜ、出金できないのか?
ここにも多くの憶測を呼んでいます。
通常、仮想通貨取引所ではユーザーの入金した日本円や購入した仮想通貨をそれぞれ個別に管理しています。そのため、コインチェックにおいても、流出して残高がなくなったネム(XEM)以外の通貨はしっかり保管してあるはずです。
日本円でもビットコインでも保管されていれば、出し入れは自由にできるのが普通です。しかし、その自由な出し入れができないというのはあまりにおかしな状況です。
これには、他の仮想通貨取引所(ビットバンク・マネックス等)の経営陣からも批判が出ているみたいです。
マネックス執行役員三根氏が批判:「現金はお客さんのもの。止められるはずがない。どうしても理解できない」
ここから考えられるのは、すなわちコインチェックでは日本円も仮想通貨も個別に管理していないのではないかということです。簡単に言うと、全てのユーザーの預かり資金・通貨が同じサイフで管理されているかもしれないのです。
さらには、ユーザーの資産を新たな儲けのために運用している可能性も浮上しています。仮に本当に資産運用していた場合、少しでも損失が出てしまうと預けている資産と運用した元金が合わなくなっていることもありえます。つまりは、ユーザーの出金に耐えるだけの資金がサイフに入ってない可能性があると噂されているのです。
この状態で出金解除した場合、全ユーザーの出金に耐えられずにコインチェックが破綻してしまう可能性も考えられます。そのために「出金停止」を行っているのではないかという憶測が出ています。
最悪のケースはコインチェックの倒産
最悪のケースといたしましては、顧客の資産が毀損し、顧客から預かっている資産がお返しできないことだと考えております。
基本的には、(最悪のケースは)ないとは考えておりますが、そこも含めて確認中でございます。
上は、流出事件後にコインチェックが会見で記者の質問への答えの抜粋です。
記者が「最悪のケース」について聞いたのに対しての答えで、顧客の資産がお返しできないこともある可能性についても述べているのです。コインチェックの解答も非常に曖昧で、不確かな点は多いので余計に心配になります。
先述の通り、コインチェックがユーザーの出金に耐えることができないと、恐らくコインチェックは破産申請を行うでしょう。それがつまりは倒産も意味しています。
本当に「最悪のケース」となった場合、コインチェックが破産・倒産をしてしまうという流れになる可能性もあるかもしれないということです。そうなると出金どころではなく、預けてた日本円や所有している仮想通貨が全て失われてしまうという可能性もありうるかもしれないのです。
コインチェック買収という希望もある
「コインチェックが破産!倒産!」といった憶測が飛び交う中で、気になったのが「コインチェックが買収される」という噂です。
今回の騒動によって、コインチェックが今後も業務改善したからといって事業を続けていくことははっきりいって難しいと考えられます。コインチェックに必要になるのは信用の回復ですが、一度落ちた信用はそう簡単には戻らないのは明らかです。
そこで、信用回復のための手段として「買収されるか、提携するか」という選択があります。
もしかしたら、コインチェック側も「買収」といった方向で進退を模索しているかもしれません。
買収によるメリット・デメリット
コインチェックを買収するという話になれば、買収する側の企業は火中に手をつっこむのと同じで飛び火して悪影響を受けかねないとも考えられますが、実際のところの買収することにおけるメリットとデメリットはどうなのでしょうか?
コインチェック買収のメリット
そもそも、コインチェックは国内最大手の仮想通貨取引所で取引量もトップクラスという実績のある企業です。それゆえに今回の事件による反動も大きいわけですが・・・。
コインチェックは月に数百億円分の仮想通貨取引量があり、月商が数兆円もあるともされています。最近の仮想通貨ブームの影響もあってともいえますが、仮想通貨事業が儲かるという事実は確かで、買収する理由の一つともいえます。
これはつまり、新たに仮想通貨事業を始めたいけどノウハウや経験が少ないという企業が買収するという可能性もあるかもしれないということです。
さらに、コインチェックの取引所サイトのUI(ユーザーインターフェイス)は非常に優れているというのもメリットです。
コインチェック自体がWEBの開発者が作ったものということもありますが、仮想通貨の取引、残高の見やすさ、買値・売値の換算など、ユーザーが簡単に扱いやすいサイト構成やデザインになっているという点やそういったWEB開発技術を持つ人材を獲得するという部分でも買収のうま味があるといえるでしょう。
買収のメリット
◯儲かる仮想通貨事業を簡単に始めることができる。
◯優れたUIシステムや開発者の獲得。
コインチェック買収のデメリット
コインチェックを買収する上でデメリットとなるのは、初めから投資家たちからの信用がない事業を買収するという点です。そのため、信用回復を図る必要があり、買収して仮想通貨事業を始めてもなかなか上手くいかないという可能性があるということです。
また、コインチェックが取り扱っている一部の仮想通貨もデメリットになります。
コインチェックは13種類の仮想通貨の銘柄を取り扱っていますが、その中に匿名系の通貨なるものが存在します。これは、この通貨での取引の記録や支払いの相手情報などが匿名のままわからないという特徴を持っています。そして匿名系通貨の取り扱いが金融庁から許可されていないのです。
つまり、買収して事業を引き継ぐとなると匿名系通貨をどうにかしないといけない必要性が出てくるということ。
仮想通貨事業を始めるには金融庁から「仮想通貨交換業者」としての認可が必要になるので、匿名系通貨の取り扱い廃止を決断しなければならない。しかし、すでにコインチェック時代から匿名系通貨に投資してきたユーザーもいるのだから、諸々と処理が大変になってくるというデメリットがありそうなのです。
買収のデメリット
◯投資家の信用回復が必要になる。
◯匿名系通貨の取り扱いの見直し。
◯買収後の仮想通貨事業で金融庁から認可を受ける必要がある。
大手銀行の買収が一番安心!
コインチェックを買収するには、買収する側の企業も高い信用性を持っていることが必要不可欠になります。信頼のない企業が買収してもユーザーは納得しないし、離れていくのは必至です。
では、コインチェックを買収するとしたらどこなのか?
こう考えると、大手の仮想通貨取引所が提携や買収するという考えもありますが、すでに自前の取引所があるのに信用のないコインチェックの事業を抱える取引所はあるのかどうかわかりませんね。自前の取引所に悪影響を与えかねないので、同業の企業が買収するという線はなさそうに感じます。
となると、自前の取引所を持っていない大手企業が興味を持っているという可能性はありえます。
先日もスマホアプリで有名な「LINE」が仮想通貨事業に参入すると発表しており、大手企業の仮想通貨事業参入が増えてきているのも事実です。コインチェックという取引所を取り込むという企業が出てくるかもしれません。
しかしながら、私見としては大手銀行が買収するということが一番安心できると思います。
仮想通貨事業の拡大により、実際に世界各国の金融機関が仮想通貨業界に参入する例が増えつつあります。日本でも2018年春ごろに三菱UFJ銀行グループが独自の仮想通貨の発行を予定しており、銀行が本格参入してくるという可能性は大きいでしょう。
その流れで大手銀行がコインチェックを買収するというのはありえそうな話であり、ユーザーにとっても安心できる材料でもあるのは確かなことです。大手銀行の信頼性は非常に高いので、ユーザー離れも最小限に抑えることができると思われます。
仮に大手銀行によるコインチェックの買収と仮想通貨事業参入が実現すれば、下火になっている仮想通貨ブームにも再び活気が戻ってくるかもしれません。
もしかしたら買収の話が出てきている可能性もあるので、今後明らかになってくる実態に注目していく必要があるでしょう。