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コインチェック顧客発狂!不正流出問題で大損してしまう?
先日、コインチェックを狙ったハッキングにより、同社が保有している仮想通貨ネム(XEM)が日本円にして約580億円分も流出してしまいました。今回の事件は、2014年に発生した同じく仮想通貨取引所マウントゴックス社が不正アクセスで流出した被害額約470億を超え、仮想通貨業界最大の被害となってしまいました。
これには多くの投資家が衝撃を受け、流出事件発覚後にはビットコイン含めてすべての仮想通貨の相場で下落傾向が続く事態になってしまいました。中でも、コインチェックの利用者(顧客)の発狂具合を考えるとゾッとします。
1月26日の事件発覚後、コインチェックは全通貨売買停止・出金停止措置を発表し、コインチェック内の仮想通貨を現金化したり、他の取引所に送ることもできなくなりました。混乱を避けるために被害を受けたネム(XEM)だけでなく、他の通貨も動かせなくなったということです。これには、他のコインチェック利用者も戦々恐々としているようです。
そして、27日にコインチェックから、ネム保有者に対しての返金補償の方針が発表されました。
これが物議を醸しており、コインチェックへの批判が増大している原因となっています。
コインチェックによる返金補償の方針
コインチェックが発表したネム保有者への返金補償の方針は以下のとおりです。
総額 : 5億2300万XEM
保有者数 : 約26万人
補償方法 : NEMの保有者全員に、日本円でコインチェックウォレットに返金いたします。
算出方法 : NEMの取扱高が国内外含め最も多いテックビューロ株式会社の運営する仮想通貨取引所ZaifのXEM/JPY (NEM/JPY)を参考にし、出来高の加重平均を使って価格を算出いたします。算出期間は、CoincheckにおけるNEMの売買停止時から本リリース時までの加重平均の価格で、JPYにて返金いたします。
算出期間 : 売買停止時(2018/01/26 12:09 日本時間)〜本リリース配信時(2018/01/27 23:00 日本時間)
補償金額 : 88.549円×保有数
補償時期等 : 補償時期や手続きの方法に関しましては、現在検討中です。なお、返金原資については自己資金より実施させていただきます。
(引用:コインチェックHP(http://corporate.coincheck.com/2018/01/28/30.html)より)
大まかな概要として、返金するのは88.549円をレートとした保有数分を日本円換算した金額を日本円で返金するということです。所有しているネム(XEM)を返金するのではなく、ネムの保有数分の日本円を返金するという意味なのです。
しかし、「580億円の損失で驚いたけど、返金されるのなら大丈夫か」などと悠長なことは言ってられません。
実は、ここにはネム保有者が大損してしまうポイントがあります。
なぜ最安レートで返金?
コインチェックの発表した返金保証の内容には、おかしな点があります。それが、補償金額が「88.549円×保有数」という点です。
不正流出事件の発覚する26日夕方ごろまでネム(XEM)の相場価格は約110円のレートを推移しており、被害総額の約580億円という計算も被害のタイミングのレートである約110円を目安に行われています。
しかしながら、事件発覚後にネム(XEM)の相場価格は急落し、80円台にまで落ちてしまいました。
そして、返金方針の発表直前のレートを参照に、返金の補償金額のレートを88.549円を基準として返金金額の計算をしたのです。これにより返金の総合計が約460億円程度になるのです。つまり、レートの推移を理由に約120億円分の返金をなしにしようという魂胆が見え見えなのがわかります。
これには、ネム保有者のみならず、多くの投資家の間で批判の声が挙がっており、コインチェックの信用性を疑問視する声も広がってきています。本来なら110円×保有数で返金されるべきところが88.549円×保有数での返金になるため、ネム保有者には約2割程度の損失が発生してしまうのです。
これは、明らかに筋が通らない話です!
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日本円で返金?強制利確で税金に追われる!
また、コインチェックの返金方法にも疑問符がつくおかしな点があります。
それが、返金には日本円を使うということです。
コインチェックが発表した中には、「補償方法:NEMの保有者全員に、日本円でコインチェックウォレットに返金」とあります。これも返金額を抑えるための手段のようですね。
方針発表時から少し時間が経つと、レートが上がって100円台に価格を戻しました。つまり、コインチェックにはネムの残高がほとんどなくなってしまった訳なので、ネム(XEM)の形で返金するにはネムを買い戻して保有者全員に返金する必要があります。
しかしながら、ネム(XEM)は全世界共通の通貨であり、相場で価格変動が常に起きているものです。5億2000万XEMを買い戻す際にも相場変動は起き、全てのネムを同一の価格で買い戻すことは困難です。また、方針発表時の88.549円のレートから100円台に価格が上がっている時点で、方針の内容と価格がずれてしまっています。
相場に左右されずに確実に返金するには、日本円での返金が一番良いと判断したのでしょう。しかし、やはり批判は起きてしまいます。
そして、コインチェック側のこの返金方法には別の懸念も含まれています。
コインチェックは、返金にはネム(XEM)ではなく、日本円を用いるとしています。そうなると、ネム保有者には日本円が資産として入ることになります。これは、すなわち課税対象となりうるお金が手元に入ってきてしまうのです。
これまでネム(XEM)に投資してきた保有者は、ネム(XEM)が高騰するごとに利益が生まれてきました。人によっては数千~数億円分ものネム(XEM)を所有してきたと思います。しかし、今回の事件でコインチェック側のネム(XEM)が完全になくなったことで、ネム(XEM)としての返金ができなくなり、日本円での返金となってしまいました。
そうなると、これまで仮想通貨ネム(XEM)のままの資産だったものが、日本円としての資産となってしまうのです。
これには当然、所得税(雑所得)という判断がされて、課税対象のお金になってしまうということなのです。
雑所得で税金がどのくらい取られるのか?
課税対象の所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円~330万円以下 | 10% | 97500円 |
330万円~695万円以下 | 20% | 427500円 |
695万円~900万円以下 | 23% | 636000円 |
900万円~1800万円以下 | 33% | 1536000円 |
1800万円~4000万円以下 | 40% | 2796000円 |
4000万円~ | 45% | 4796000円 |
これは、所得税に関する税率を表したものです。金額が高くなると、当然税率も高くなっています。
例えば、今回ネム(XEM)が日本円で2億円分あったとして、それを日本円で1億8000万円を返金されるとすると約半分のお金を税金として納めなくてはならなくなるということなのです。
税金なのでいずれにしろ、仮想通貨を日本円に換金した際に払わないといけないものですが、いますぐに換金するということでもありません。むしろ、ネム(XEM)がまだ価格が上昇することを予想して仮想通貨のまま持ち続けたいと思っていた人がほとんどでしょう。
それを安いレートで強制的に利確(利益確定)させられてしまい、挙句の果てには税金まで取られてしまうのでネム保有者は大損してしまうという人が多いでしょう。
返金されても税金分は残しましょう
コインチェックからは返金の方針だけが発表されましたが、返金の時期がいつ頃になるかはまだ不透明です。
しかし、いずれにしても人によっては大金が日本円として入ってくるということは確かです。しかも、返金される時は税金が引かれていない状態で戻ってきます。ここで注意したいのが、その返金されたお金をそのまま新たしい投資に使ってしまうことです。

返金された日本円を使って、仮に同じ金額で仮想通貨を再度購入したとしても、一旦返金分の日本円が手元に入ったことで、それは所得とみなされてしまいます。お金が手元に入った時点でその分の税金を払う義務が生まれてしまうということになるのです。
また、ネムの価格が上がって1XEM=100円になっていたら88万円だと8800XEMしか購入できないので、さらに損失が出てしまいます。しかしながら、78万円への課税は変わらないのです。
日本において、所得税は1月1日~12月31日の所得が対象になり、翌年に税金を支払うようになります。しかし、今回の返金分は2018年分の所得税に含まれるため、税金を納める時期は2019年になるというわけなのです。
つまり、2019年になるまで、税金のためにお金を残しておく必要があるということなのです。
今回、数千万~数億円の返金があったとしても、約半分は税金で取られてしまうことを考えて手元に取っておきましょう。大金が入ってくると、感覚が麻痺してしまう可能性もありますが、きちんと税金のことも考えておかないと、1年後に数千万の課税があって苦しむなんてことにも繋がりかねません。
返金されたお金で新たな仮想通貨を買うなら
コインチェックでネム(XEM)を保有していたユーザーには、日本円での返金があると思いますが、返ってきたお金で新たに仮想通貨を買おうと考えている方も多いと思います。
今回の騒動の影響で各仮想通貨の価格が大きく下落していて、むしろ今が買い時ともされています。しかも、コインチェックが行っている全通貨出金停止措置を解除したら、さらに価格の下落があるかもしれません。まさに、安く買えるチャンスなのです。
しかし、信用性のなくなったコインチェックではもう買おうとは思わないでしょう。そこで、オススメしたい取引所があります。
安全性は完璧!補償も充実のビットフライヤー
コインチェックの事件で仮想通貨の恐ろしさを実感したという方も多いと思います。セキュリティーも甘いし、補償もあいまいときたら信用もなくなってしまいます。
しかし、ビットフライヤーは安心・安全です。
コインチェックが登録・認可されていなかった国が定めている「仮想通貨交換業者」として認可を受けており、セキュリティーの面でも各仮想通貨に最先端のマルチシグネチャ技術による分散管理を採用して高い安全性があり、万が一のことがあっても複数の保険会社と提携して補償対応ができるようにもなっています。
さらには、今回のコインチェックの騒動を受けて、セキュリティー面での強化に努めるという文章も発表しました。
イーサリアムを買うには「販売所」形式での取引になるので、他の取引所よりも少し高いこともありますが、安全性を重視するならビットフライヤーでの購入をオススメしたいです。
イーサリアムを安く買うならビットバンク
ビットバンクはユーザーどうしのやりとりで相場を決める「取引所」形式での購入となるので、他の取引所よりも安めに購入することができます。売り値と買値の差額も大きくなく、良心的な価格差で取引できます。
イーサリアムとビットコインはもちろん、今後の将来性も期待されているリップルも取り扱っており、コインチェックからの送金にはもってこいの取引所です。
ちなみに、ビットバンクも「仮想通貨交換業者」として国からも認められており、各通貨のセキュリティーも万全です。安全性もしっかりしているので、これまでコインチェックで取引していた方には移動先としてもオススメですね。
安全性も通貨の安さも重視するなら、ビットバンクが良いでしょう。